「思うように会話ができない」「なんだか場の空気を悪くしたかも…」
ADHDを持っている方にとって、このようなコミュニケーションの悩みはつきものです。
悩みを抱えたままだと会話が楽しくないですし、友達もできません。
この記事ではADHDを持つ人のコミュニケーションが苦手な原因を解説します。
特徴と改善法も紹介していますので、ぜひご覧になってください。
ADHDを持つ方がコミュニケーションが苦手な原因とは
ADHDは日本語で「注意欠如多動症」と呼ばれており、前頭葉の発達の遅れが原因と言われています。
ADHDを持つ人は以下のような特徴があります。
- 注意・集中力の欠如
- 多動性と衝動性
上記で挙げた特性がコミュニケーションが苦手な原因につながると言われます。
たとえば注意・集中力の欠如だと、「会話で失言するなど、注意力が足りないからトラブルを起こす」が例に挙がるでしょう。
参照:ADHDのMRI研究―ADHDの神経生物学的基盤の解明に向けて―
ADHDを持つ方のコミュニケーションの5つの特徴とは
ADHDを持つ方のコミュニケーションは以下の5つの特徴が挙げられます。
- 自分の一方的な会話
- 相手に聞き取れないほどの早口で話す
- 会話の途中で脱線させる
- 話を聞かないので会話を忘れる
- 余計な一言を言ってしまう
上記に挙げた特徴が起こることで、会話でのトラブルや場の空気を悪くする原因に繋がります。
ここからは5つのコミュニケーションの特徴について解説します。
一方的な自分のペースで会話をしてしまう
ADHDを持つ人は「一方的に自分のペースで会話をする」特徴があります。
たとえばお互いの旅行の話をするつもりだったのが、自分の行った宿や料理の話ばかりするのを例に挙げてみましょう。

ねえねえ、先日旅行に行ったの!



あ、私もこの前旅行に…



草津温泉に行ってきたけど、お風呂が気持ちよかったし料理も最高よ!



あとは風景も素敵だったし、お土産のお店もたくさんあって、他にもこういったお店が…



この人いつまで話続けるんだろう…
このようなケースになると聞いている相手は話に入っていけません。
さらに話も長いので聞いていて疲れてしまいます。
ADHDを持つ人はこうした一方的な会話をする状態になりがちです。
聞き取れないほどの早口で話してしまう
早口で話をするのもADHDを持つ方の特徴で、特性の落ち着きのなさが原因でこのような会話になります。
今度は好きなドラマの会話を例に挙げてみました。



昨日の夜のドラマ見た?



うん、見たよ!



面白かったよね!
私の好きな俳優も出てたし…わーーーーーー。



この人何話しているか分からない…。
ADHD特性の落ち着きのなさから、相手が聞き取れないほどの早口で話してしまいます。
筆者も早口で話す癖があり自分ではしっかり話をしているつもりでも、相手から「何言っているか分からない」と言われて辛い思いをしました。
早口で話しているのは自分では気が付きにくいだけに、辛いですよね。
会話の途中で脱線してしまう
会話の途中で突然違う話題を話して、脱線させてしまうのもADHDを持つ人の話し方のくせです。



この前行ったところ素敵だったよね!
イルミネーションもきれいだったし。



うん!きれいだった!
彩鮮やかだし、思い出になるよね!



昨日は自宅でハンバーグを作ったよ!



なんでいきなりハンバーグの話をするの⁉
ADHDを持つ人は特性の衝動性から突然閃きながら会話をするので、このように会話が脱線してしまいます。
聞いている方からすると急に違う話をされると困惑するでしょう。
このような会話が多くなるのも、ADHDを持つ方の話が続かない原因です。
話を聞かないので会話を忘れてしまう
ADHDを持つ人は注意力の欠如の影響から、集中して話を聞かないので会話を忘れてしまいがちです。



昨日のハイキング楽しかったね!



うん!楽しかった!



特にコースの途中の滝がすごい迫力だったし、頂上の景色も最高だったよね!



うん…、あれ?いま何の話をしていたっけ?
このように会話の内容を忘れてしまうと、話が続かないうえに相手の方も不快になるでしょう。
筆者も集中して会話を聞かない癖があり、約束事を忘れてしまって後日友人を怒らせてしまったことがあります。
特にビジネス上での会話を忘れてしまうとお客様からお叱りの声をいただく可能性があるので、気を付けましょう。
余計な一言で相手を怒らせてしまう
こちらも注意力の欠如の影響で、余計な一言を話して相手を怒らせてしまうケースです。



昨日行ったレストラン、とっても素敵でおいしかったね!



カニクリームのパスタも最高だったし、石窯で焼いたピザもおいしかった!



そうそう!あれだけの量の料理を食べきれるのはすごいよね!
だから最近太ったんじゃないの?



太ったってどういうことよ!
このように悪気なく余計な一言を話してしまい、人間関係のトラブルにつながります。
筆者も友人の女性の失恋話を大勢の前で話をして、場の空気を凍らせる経験がありました。
会話の流れを読まずに失言をしてしまうと、自分にとっても後悔してしまうので気を付けましょう。
ADHDを持つ方のコミュニケーション改善法5選
ここからはADHDを持つ方のコミュニケーションを改善する方法を5つ紹介します。
- ゆっくり話すクセをつける
- 自分の話したいことを整理する
- 人の話をしっかり聞く
- 相手の表情や姿をみるクセをつける
- 自分の表情を豊かにする特訓をする
上記の方法を始めようとするのは大変かもしれませんが、ADHDを持つ方の得意なゲーム化にしてチャレンジすると楽しみながら改善していけますよ。
それでは1つずつ紹介していきましょう。
ゆっくり話す癖をつけよう
まずはゆっくり話す癖をつけながら、早口を直す特訓をしましょう。
以下のトレーニングを行うのがおすすめです。
- 声を出しながら小説などの本を読む
録音をしながら読むとなお効果的 - 話し方教室や、ボイトレ教室に行ってみる
発音の仕方を一から学べるので、きちんとした話し方を身に付けられる
おススメなのは声を出しながら小説や漫画などの本を読むことです。
文字を一文字ずつ読みながら話すと、丁寧に話す癖がつき早口が治っていきます。
また録音をしながらトレーニングをすると、自分の話し方の特徴がつかめるのでよりおすすめですよ。
早口で話してしまうのは口がしっかり動いていないのも原因なので、話し方教室やボイトレに行くのも効果的です。
口の動かし方を一から教えてくれるので、はっきりした発音で話せるようになります。
正しい口の動かし方をトレーニングで覚えることで、会話に自信が持てますよ。
自分の話したいことを整理しよう
PREP法を使ってあらかじめ構成を作って話をすると、相手に伝わりやすい会話ができるようになります。
PREP法とは?
①Point(結論)・②Reason(理由)・③Example(具体的な成果)・④Point(結論)の順で話す会話法です。
先に結論を述べてから理由と具体的な例の順で話し、締めくくりに再び結論を話すと説得力のある会話になります。
うまく頭の中でまとまらない時は、事前にノートに書いておくのも有効です。
ノートに書いておけば自分の話したいことを事前に準備して会話に望めます。
話したい事を整理できると、話が頭の中でまとまるので一方的な会話の改善につながりますよ。
参照:NPO法人群馬活性化企画センター パワポを活用した聞き手を動かす技術 第1回─ 聞き手を動かすフレームワーク ─
人の話をしっかり聞こう
続いてオウム返しの特訓をして聞く力を身につけましょう。
~オウム返しの一例~



今日は新宿まで遊びに行ったよ!



へ~、新宿に行ったんだ。
このように相手の言葉を反射させて話すことを「オウム返し」と言います。
相手の話に合わせて「うんうん」と相槌を打ちながら聞くのもオウム返しの一例です。
また職場での大事な話では、話を聞きながらメモを取るのも有効です。
上記で挙げたことができると話をしっかり聞く力を身に付けられ、会話を忘れることも少なくなりますよ。
相手の表情をみる癖をつけよう
話し方の改善だけでなく、相手の表情を観察する癖をつけるのもコミュニケーション力改善には欠かせません。
表情を観察するクセをつけると気持ちが読み取れる
相手の表情をしっかり観察すると、本当に楽しそうに話しているか判別できるようになります。
たとえば見た目は笑顔でも、目元が笑っていないと感じたら作り笑いの可能性も頭に入れましょう。
本当に楽しそうに話していないと感じられると、会話をストップできる技術が身につきます。
「これ以上話を続けない方がいい」と思うようになるので、相手のペースに合わせた会話ができるようになりますよ。
表情を豊かにする特訓をしよう
自然豊かな表情で話すのがコミュニケーション向上に有効ですが、普段から笑顔が少ないと表情が硬くなりがちです。
笑顔に自信がない場合は顔のトレーニングを行いましょう。
- 口角を上げるトレーニング
左右の口角をそれぞれ20秒ほど斜めに引き上げて、計3セット行う - 口輪筋を鍛えるトレーニング
前歯を8本見せながら10秒ほど「い~」と発音し、計5セット行う
鏡を見ながら上記のトレーニングを毎日続けていくと、きれいな笑顔が生まれます。
筆者も昔は硬い笑顔で、美容室に行ったときの鏡を見ていて「全然笑えていない」と我ながらに感じました。
笑顔で話を聞くだけでも相手に気持ちが伝わりますので、十分なコミュニケーションが取れます。
無理して話に入る必要がなくなるので、落ち着いた会話ができるようにますよ。
それでも解決できないときは2つの専門機関に相談
上記で挙げた対策法を行っても解決できないときは2つの専門機関に相談しましょう。
- 発達障害の専門機関
- コミュニケーション教室
発達障害の支援機関に行ってみよう
全国各地に発達障害の支援を行う機関がありますので、積極的に相談に行きましょう。
国立障害者リハビリテーションセンターによる発達障害情報・支援センターでは全国の支援機関を紹介しています。
支援センターでは相談はもちろん、医療機関や発達障害のコミュニティも紹介しているので、お住まいの地域の支援機関を探しましょう。
コミュニティでは発達障害を持つ方同士で交流ができるので、悩みを共有しながらコミュニケーションが取れますよ。
参考:発達障害者支援センター・一覧 | 国立障害者リハビリテーションセンター
コミュニケーション教室に行ってみよう
民間で運営しているコミュニケーションの教室に通うのも有効です。
- オウム返しなどの練習を生徒同士の対面形式で学べるので、身に付きやすい
- 同じ悩みを持つ人の集まりなので、大人数でも雰囲気に溶け込める
筆者もコミュニケーション教室に通ったことがありますが、実演形式で学べるのでとても分かりやすかったです。
また生徒同士で仲間もでき楽しく学ぶこともできました。
お近くのコミュニケーション教室を探してみて、一度相談に行ってみましょう。
まとめ
ADHDを持つ方のコミュニケーションが苦手な原因と対策法について解説していきました。
注意欠如などの特性から思うように会話ができないかもしれませんが、その悩みもトレーニングを積めば改善が期待できます。
ここまで紹介した対策法を実践して、コミュニケーション向上を目指しましょう!

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