「まわりの環境についていけなくて辛い」「気になることが頭から離れず夜も眠れない」
発達障害を診断された方にとって、このようなストレスを抱える方は少なくありません。
ストレスを長時間抱えると体調を崩す原因になるので、避けたいところです。
この記事では発達障害の方がストレス耐性が低い原因を解説します。
ストレスを予防および改善できる方法についても解説しますので、この記事を読んで参考にしてください。
発達障害の人はストレス耐性が低い
発達障害は「生まれつきの脳の偏り」「機能不全」を持った状態のことで、主に3つの種類があります。
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠如多動症)
- LD(学習障害)
原因として脳のさまざまな機能とのつながりがうまく取れないことから、脳内からホルモンなどの分泌が少ないために、ストレス耐性が弱くなります。
また、2次障害としてうつ病や不安障害を併発していることも珍しくありません。
次は発達障害を持つ方がストレスを抱えてしまう原因について解説します。
発達障害の人がストレスを抱える5つの原因
現代社会における職場の人間関係やインターネットの普及による情報の多様化などが、発達障害を持つ方にとってストレスを抱えやすくなる原因だと言われます。
- 過剰に周りと適応しようとする
- 臨機応変に対応できない
- 感覚が過敏になり過ぎてしまう
- 思い付きが激しい
- 物事に集中しすぎる
ここからは考えられる5つの原因と対処法について解説します。
過剰に周りと適応しすぎて疲れやすくなる
発達障害を持つ方は無理をしすぎる傾向があり、過剰に周りと合わせすぎることがストレスを抱えやすい原因です。
このような状態を過剰適応と呼び、日ごろから頭をフル回転するために疲れやすくなります。
過剰適応のケースとその対処法を下の表でまとめました。
- 仕事のできる先輩と同じペースで仕事をしようとする
意識をしすぎないように自分のペースを貫くことを心掛けましょう。 - 人から良く思われたいので、大人数との会話でも無理して溶け込もうとする
話に入れなくても、笑顔を作るか相づちするだけでも相手の印象が変わります。 - 嫌な頼まれことにも期待に応えようとしてしまう
できないことに対してきっぱりと断るクセをつける。 - 好きな人のペースに合わせすぎてしまい失恋した時のショックが大きくなる
相手のいいところばかり見ないで、じっくり観察もしてみましょう。 - 少し興味の持ったことに張り切り過ぎてしまい、挫折をしてしまう
いきなりやろうとせず、少しずつ始めてみる。
筆者も仕事の頼まれごとを断れなく、体調を崩す原因になったことがあります。
1度くらい断っても相手の評価が変わることはないので、断る勇気も必要ですよ。
感覚に過敏になり過ぎて疲れやすくなる
発達障害を持つ方は音や光など、五感の情報に過敏になり過ぎる傾向があります。
- 音
線路のガード下の騒音など - 光
街角のネオンや車のライトなど - 色
デパートやショップなどに飾ってある洋服の色など - 味覚
同じ店の料理なのに日によって味が違うと感じることなど - 情報
インターネットやSNSの情報など
このように通常なら気にならないことに対しても、過敏になりやすいです。
筆者もインターネットの情報に過敏になって精神的に不安定になったことがありましたが、一度パソコンを手放してみたら症状が改善しました。
上記の例を完全に防ぐのは難しいかもしれませんが、耳栓を使ったりサングラスをかけて防ぐこともできるので、少しずつシャットアウトをしてみる努力をしてみましょう。
思い付きが原因で疲れやすくなる
発達障害を持つ方は「衝動性」が強い傾向があり、思い付きで思わぬ行動をとることも珍しくありません。
以下のような例と対策法も用意しました。
- 予定になかったものを衝動買いして後悔する
欲しいと思っても一度冷静になる習慣をつけましょう。 - 会話で思わぬ発言をしてしまう
一言話す前にワンテンポ置いて考える習慣をつけることが大事です。 - 一方的な会話になりやすい
できるだけ相手の話を聞く癖をつけると防げるようになりますよ。 - 待つのが苦手でイライラしやすい
待っている間にスマホゲームなど集中できることを見てみる。 - 作業中にも関わらず他のことに気が向き作業が進まない
気になるもの見つけたらその場から遠ざける工夫をする。
筆者も作業中に情報が気になり、ついスマホに触って作業を後回しにすることがあります。
スマホを違う部屋に置くか、あらかじめ電源切るなどの対策をすると効果がありますよ。
物事に集中しすぎてつかれてしまう
興味を持つことに対して過集中する傾向があるのも、発達障害を持つ方の特徴です。
- インターネットサーフィン
気になる情報を調べるきっかけになってしまう - ゲーム
楽しい上に自分の世界に入り込めるのでやめられなくなる - YouTubeなどの動画サイト
さまざまなジャンルの動画があるので、つい色んな動画を見てしまう
筆者も若いころはゲームやネットサーフィンで夜更かしをしてしまい、次の日の仕事に悪影響を及ぼすことがよくありました。
具体的な対応法はのちほど紹介する「アイテムを使って過集中を防ごう」をご覧ください。
睡眠低下が原因で疲れやすい
睡眠が低下すると体が疲れやすくなるだけでなく、うつ病などの精神疾患の原因に繋がります。
発達障害を持つ方は夜中に元気になる傾向があるので、さきほど挙げた過集中による睡眠不足にも気をつけなければいけません。
寝る前にスマホから離れて、読書や軽い運動をして頭の中をリラックスさせると質の良い睡眠がとれるようになりますよ。
ストレスを予防できる4つの方法を知ろう
ここからはストレスを予防できる4つの方法について紹介します。
筆者がおすすめできる改善方法も紹介しているので、ぜひご覧ください。
- 自分の得意・不得意を理解する
- 規則正しい生活リズムを作る
- 積極的に運動をしてみる
- アイテムなどを使って過集中を防ぐ
自分の得意・不得意を理解しよう
自分の持っている特性を理解することが、ストレス軽減に役立ちます。
たとえば、「パソコンを操作するのは得意だけど、人と話すのが苦手だよね」と冷静に考えてみましょう。
自分の得意・不得意を理解すれば「人との交流を避けながら、一人でもくもくと仕事ができる環境」の職場に身を置けますよね。
そうやって自分の発達障害の特性を理解していれば、ストレス軽減を図れます。
筆者もスポーツ選手など、同年代の方の活躍を見ていて劣等感を感じ落ち込むことがあります。
しかし「自分と他人ではそもそも生まれ持った能力が違う」と考えるようなってからは、テレビで見ても落ち込むことが少なくなりました。
自分の特性を少しずつ理解しながら、対応できる能力を身につけましょう。
規則正しい生活リズムをつくろう
規則正しい生活リズムを作れると、リラックスしながら生活できるようになります。
決まった時間を決めて生活すると体内バランスが整い、体調が良くなるからです。
「毎日決まった時間に起床・睡眠をとる」や「決まった時間に食事をとる」「間食はしない」など、あらかじめルールを決めておきましょう。
たとえば「毎日7時に起きて夜0時に寝る」や「毎日18時に夕食を食べる」など時間を決めれば、心に余裕が生まれ身体も軽くなります。
日によって寝るタイミングと睡眠時間がバラバラになると、体内バランスが崩れ体調を崩す原因になり、うつ病などを発症しかねません。
間食をしないと決めてしまえば、将来太ることへの不安が減るのでストレスを感じにくくなりますよね。
小さなことからでも習慣化することを身につけておきましょう。
積極的に運動を取り入れてみよう
ストレスを改善するためには、日ごろから運動を取り入れるのもおすすめです。
運動をすると「セロトニン」などの神経伝達物質が分泌され、ストレス改善の効果が期待できます。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、脳の中にセロトニンが伝達すると精神的な落ち着きを得られると言われ、うつ病などの精神疾患の予防にもつながります。
研究結果でも「余暇時間にまったく運動をしないグループに比べ、1週間に運動を2時間以上しているグループは、1年後に抑うつになるリスクが約半分に抑えられる」という報告もされています。
とはいえ「日ごろから疲れているのに、運動をする余裕がない」と思われるかもしれません。
しかし激しい運動までする必要はなく、筋トレやウォーキングなどの軽い運動でも十分セロトニンを分泌できる効果があります。
10分散歩をするだけでもストレス解消の効果が期待できるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
参照:スポーツ庁 Web広報マガジン|プラス「10」分のウォーキングから始めるストレス対策
アイテムなどを使って過集中を防ごう
過集中を防ぐためにはスマホのアラームを使いながらポロモードテクニックを活用しましょう。
ポロモードテクニックとは?
イタリア人のフランチェスコ・シリオさんが考案した時間管理術で、作業時間を25分に区切り作業時間の間に短い休憩時間を挟み、それを繰り返すという方法
アラームを使いながらポロモードテクニック使うと自動的に休憩できる癖がつくので、過集中を予防できる効果があります。
スマホのアプリでも無料のタイマーアプリが用意されているので、ぜひ活用してみましょう。
参照:ポモドーロ・テクニック|コラム|学生相談所|東京大学相談支援研究開発センター
解決が難しい場合は2つの専門機関に相談
これまで紹介したストレス解消でも解決できない場合は、身体が限界に達している可能性があります。
発達障害を専門とした2つの相談機関を紹介しますので、相談に行ってみてください。
自治体の発達障害センターに相談
全国には発達障害を支援する自治体の相談センターがあり、各都道府県に設置されています。
たとえば東京都には東京都発達障害者支援センター「おとなTOSTA」という施設があり、発達障害の相談や医療機関などの紹介を行っています。
「相談したいけどどこに相談すればいいか分からない」と思われた方は、まずは自治体の発達障害センターに相談してみましょう。
参照:東京都発達障害者支援センター おとなTOSCA – 東京都発達障害者支援センターは、2ヶ所のセンター(こども/おとな部門)に分かれて支援を拡充します
発達障害を診察できる医療機関に相談
発達障害を診察してくれる精神科・心療内科に相談するのも効果的です。
精神科・心療内科ではカウンセリングによる認知行動療法の治療によって、考え方のクセなどの改善が見込めます。
ADHDには「コンサータ」などの薬によって症状の改善が期待できる上、そもそも発達障害を持つ方はうつ病などの精神疾患を併発していることも珍しくないので、薬による治療も効果的と言えるでしょう。
発達障害の患者の増加に伴い、診察できる精神科・心療内科が増えていますので、症状が辛い場合はぜひ診察してください。
まとめ
ここまで発達障害のストレス耐性について解説しました。
脳の特性から発達障害を持つ方のストレス耐性の低さは否定できませんが、日常生活の工夫や専門機関の相談などで改善が期待できます。
毎日楽しい生活を過ごせるように、小さなことから改善していきましょう。
コメント